企業不祥事が絶えない。企業不祥事が起きるたびに規制は強化されているが,その規制を掻い潜るようにまた次の不祥事が起きている。不祥事の原因を規制強化で補うことは,社会制度において不可欠であるが,不正を事前に防ぐには,当事者の倫理を養うことが肝要である。本スタディ・グループでは,会計倫理教育とは,倫理的な会計行為を行う素地を身に付けさせる教育と定義し,会計行為を行う当事者が倫理的ジレンマに直面した際に,反倫理的行動を防止するための教育について検討を行うこととした。会計倫理教育は,会計プロフェッションを養成する会計大学院においてカリキュラムとして設定されているが,会計に携わるのは必ずしも会計プロフェッションだけではなく,会計不正は現場の会計行為に端を発している。現場の会計行為における倫理の実践が本スタディ・グループの問題意識である。中間報告では,今後の課題を考える材料として,現状について調査した。