廃棄物資源循環学会誌
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特集:高含水率有機系廃棄物処理の最新技術と挑戦
高含水率有機系廃棄物からのりん回収技術の現状と展望
土手 裕
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2024 年 35 巻 2 号 p. 129-134

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抄録

りんは肥料,工業用原料に用いられる重要な資源であるが,りん鉱石の生産量は年々減少している。流動性を増す国際情勢のなかでりん鉱石の全量を輸入に頼っている現状では,国内における廃棄物からのりん回収がますます重要となっている。下水汚泥中のりんは,脱水前消化汚泥や脱水ろ液からの MAP による回収や,ケイ酸カルシウム系回収剤による回収,下水汚泥焼却灰を直接肥料あるいは酸抽出/晶析により肥料原料として回収されている。家畜ふん (牛,豚,鶏) からは,堆肥炭化,焼却灰を直接肥料あるいは酸抽出/晶析により肥料原料として回収されている。今後のりん回収技術の開発に際し,家畜ふんの収集システムの整備,人口減少への対応等が必要である。

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© 2024 一般社団法人 廃棄物資源循環学会

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