選挙研究
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SNTVとM+1法則
政令市県議選データの優位性を活用して
茨木 瞬
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2013 年 29 巻 2 号 p. 129-142

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抄録

大選挙区単記非移譲式投票制(SNTV)における“候補者数”をめぐる研究に関しては,中選挙区時代の衆議院議員選挙のデータを用いて分析したReed (1990, 1997) と川人(2004)がある。しかし,中選挙区時代の衆院のデータでは,“泡沫”候補が多く存在し,“泡沫”候補を除外するための工夫が必要であるが,これまでの先行研究では,“泡沫”候補を除外する方法がやや恣意的であり,疑問が残る。そこで本論では,政令指定都市の道府県議会議員選挙のデータを活用することを提案し,先行研究における“泡沫”候補問題を回避して,SNTV におけるM+1法則の検証が行えることを示す。さらに,定数是正が国政選挙と比べて頻繁に行われている,という政令市県議選の利点を生かし,定数変更前後での候補者そのものの動きや,有効候補者数の変化等によりM+1法則の安定性を確認していく。

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© 2013 日本選挙学会
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