選挙研究
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大統領制における与党事前審査
韓国の「高位党政協議」を事例に
朴 志善
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 34 巻 2 号 p. 58-71

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抄録
現代民主体制の下,与党は,政府の議会提出予定法案の作成過程に一定の役割を果たしている。しかし,大統領制の場合,立法府・行政府の関係の観点からアプローチすることが多く,政府案の作成過程における与党の参加(事前審査)の過程については十分な研究は行われてこなかった。その点から,本稿は,韓国の事例を通じて,大統領制の下での与党の事前審査の現状と,与党に対する大統領の資源が事前審査に及ぼす影響を明らかにする試みである。韓国の最高位レベルの事前審査である「高位党政協議」のデータを用いた分析の結果,大統領制の韓国においても多様な議題に関して事前審査が行われ,大統領の権限,大統領の支持率,発足後の月数など,大統領と所属議員の関係に影響する要因が事前審査の開催と性格に影響してきたことが確認された。本研究は,立法における事前審査,また,与党のリーダーとしての大統領の役割の重要性を指摘し,与党の立法活動の比較および理論化への貢献を試みる。
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© 2018 日本選挙学会
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