選挙研究
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「一票の較差」問題に対する有権者の認識
今井 亮佑
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 35 巻 2 号 p. 71-85

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抄録
いわゆる「一票の較差」問題に対する有権者の認識を明らかにするために,2019年春に「熟慮型WEB調査」を実施した。そのデータを分析した結果,次のような点が明らかになった。(1)国政選挙が終わるたびに,投票価値に不平等がある状態で行われた選挙の無効を求める訴訟が提起されるが,そうした訴訟に関心を持つ人も,重要性を認める人も,さほど多くはない。(2)「一人一票」の原則が厳格に守られることを求める人はごく少数にとどまり,ある程度の「一票の較差」が生じるのはやむを得ないと考える人が多数を占める。(3)較差問題への対処法をその短所とともに回答者に示し,それについてよく考えるよう促すと,較差問題に対処するには「副作用」も伴うことを理解するため,「一票の較差」の許容範囲について,対処法に対する賛否とも整合的な,より寛容な態度を示すようになる傾向がある。
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© 2019 日本選挙学会
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