抄録
2019年12月に発生したCOVID-19の危機は日本の首都において猛威を振るった。感染症のリスクコミュニケーションにおいては特に自治体と住民との信頼関係の構築が重要であり,特に都知事は住民に対する情報発信を密接に行う必要がある。リスク回避的な人間は感染リスクを警戒し,リスク管理アクターを信頼しない傾向にある。リスク回避的な人間はメディアに接触することでリスクテイクに関わる態度や行動を実行するが,それは都知事に対する信頼関係の構築やCOVID-19感染の予防対策に関する評価においても説明力があるのだろうか。本稿の目的はリスク傾向とメディアの観点から,都知事信頼と業績評価を説明する要因について明らかにする。結果として,感染拡大の初期においてはリスク回避的な人間ほどテレビに接触し,都知事の業績を評価することで信頼関係を構築することが明らかとなった。