選挙研究
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利益団体の選挙動員とメンバーの投票行動
団体所属者に対する質問紙調査の分析
山本 英弘
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 38 巻 2 号 p. 34-47

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抄録
利益団体にとって選挙動員は重要な政治機能であり,政党との関係を規定し,影響力の源泉となっている。しかしながら,近年,団体の動員機能の低下が認識されている。そこで本稿では,労働組合,農協,商工団体,市民団体のメンバーに対する質問紙調査をもとに,2021年衆議院議員選挙における選挙動員と投票行動の実態を把握する。分析から,団体メンバーだとはいえ所属団体から投票依頼を受けたケースはあまり多くはない。投票依頼を受けた場合,農協,商工団体,市民団体では自民党への依頼が多い一方で,労働組合では立憲民主党への依頼が多い。しかし,労働組合を除けば,所属団体からの依頼が投票行動に結びついていない。労働組合は動員力を有しているものの,全体では自民党への投票が最も多く,党派的態度にもリベラルな志向性がみられない。ここから,自民党を中心とする保守政権に対抗するリベラルな野党と労働組合の連合という構図は,個々の組合員の立場からはみてとれない。
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© 2022 日本選挙学会
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