抄録
2021年総選挙は,「ネオ55年体制」と呼ぶべき,近年の日本政治の状況を象徴する選挙であった。政党システム面から見た場合,ネオ(そして旧)55年体制は(1)一党優位であり,(2)与野党第一党がイデオロギー的に分極化している点に特徴がある。平成期の政治改革は,こうした政党間競争の構図を改め,政権交代可能性を高めることを目標としたが,結果として成功しなかった。「憲法問題」が争点として埋め込まれた戦後日本政治においては,保守政党が政権担当能力イメージを独占し,野党がイデオロギー軸上で分断される事態を生じやすく,55年体制的政党システムが「ゲームの均衡」になっている。