選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
Print ISSN : 0912-3512
ISSN-L : 0912-3512
マニフェスト選挙以降の争点態度投票
小林 良彰
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 p. 7-38,214

詳細
抄録

2003年衆院選にマニフェストが導入され,「有権者が政党•候補者が提示する政策公約をみて,最も自分の争点態度に近い政策公約を示す政党•候補者に投票する」争点態度投票が生じることが期待された。そこでマニフェスト選挙以前の2001年参院選とマニフェスト選挙以降の2003年衆院選ならびに2004年参院選の三回の国政選挙における有権者の投票行動を分析したところ,政党•候補者の政策公約が有権者の投票行動に与える影響力は満足のいくレベルには達しておらず,争点態度投票が増加する傾向がみられないことが明らかになった。また,2004年参院選における全候補者の選挙公報を内容分析したところ,自民•民主両党の候補者の公約の間にさほどの相違がみられず,しかもそれらが有権者の争点に対して持つ態度と乖離しており,わが国の有権者は形式的な選択権を持っていても,実質的な選択権を持たないことになる。

著者関連情報
© 日本選挙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top