日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
放射性廃棄物処分の放射線防護の最適化
処分システムの頑健性確保に係るガイドラインの策定に向けて
川上 博人青木 広臣鈴木 篤之
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2011 年 53 巻 1 号 p. 36-41

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抄録

 放射性廃棄物処分の放射線防護の最適化の考え方は,遠い将来において生じる可能性がある被ばくを対象にした防護の最適化である。そのため,原子力の利用により利益を受ける世代と被ばくを受ける世代が乖離していることや被ばく評価に長期的な不確かさを多く含むことから,他の原子力施設と同じ考え方でこれらを求めていくことには難しい課題を有している。本解説は,この課題に対処する考え方を概観するとともに,防護の最適化の考え方が,処分システムの頑健性確保の考え方と等価であることを示し,これを具体的に実行するために利用可能な最良の技術(BAT)を適用したガイドライン策定に向けて,学会に提言を行うものである。

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© 2011 一般社団法人 日本原子力学会
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