日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
論点「原子力」を考える リアルな原発のたたみ方
橘川 武郎
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2012 年 54 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

 東京電力・福島第一原子力発電所の事故を契機にして,日本では,エネルギー政策の根本的見直しが進められている。電源構成の見直しに当たっては,①再生可能エネルギー利用発電の拡充,②節電による電力使用量の削減,③技術革新による石炭火力発電のゼロ・エミッション化,の3要素を独立変数とし,原子力発電のウエートは,これら3要素の進展具合によって,「引き算」で決まると考えるべきである。それでも,2030年時点では,原子力発電のウエートが20%程度残ると考えられるが,バックエンド問題の解決の困難さから見て,原子力発電は,長期的には停止されることになると見込まれる。

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© 2012 一般社団法人 日本原子力学会
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