2017 年 59 巻 2 号 p. 85-88
原子力発電所の安全上の脅威や問題について将来にわたり安全確保を継続していくには,リスク評価とそこからの情報の扱いを前向きに捉えて取り組む必要がある。原子力学会標準委員会では,現在までにPRA(確率論的リスク評価)手法やリスク活用のための技術基盤整備を行ってきた。ただ,現在鋭意議論されている検査制度の見直し検討においてリスク情報活用がうたわれているように,今後様々な実務に適用するためにはリスクの情報をどう活用して意思決定するかの標準が必要である。震災前にも標準委員会はリスク情報活用実施基準を発行しているが,より具体的な標準の策定を進めることとした。