2020 年 62 巻 3 号 p. 127-131
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故は,複数の原子炉で同時に事故が起こり,世界的にも類のない事故となっており,その廃炉は困難を極めると想定される。30年から40年かかる廃炉を着実に遂行するためには,新たな技術の開発と人材の育成が不可欠である。そのため,日本原子力研究開発機構(JAEA)では,文部科学省,原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)等と協力して,国内外の英知を結集し,長期的な廃炉に必要な基礎基盤研究に取組む体制を構築している。また,1Fの廃炉は世界各国から強い関心が寄せられている。このため,国際協力も展開しながら,廃炉の課題解決に取組むとともに,国際社会に向けた情報発信を行っている。