日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
原著
甲状腺癌患者の意識調査結果
末延 成彦宮脇 利果福田 昌弘小川 悦代安立 憲司川上 淑子伊藤 雄一郎
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2015 年 32 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
悪性腫瘍の中でも,稀な疾患である甲状腺癌は予後が良好であることから患者を対象とした意識調査は実施されていなかった。今回,われわれは分子標的治療薬であるソラフェニブの分化型甲状腺癌への適応承認を2014年6月に取得したことで,治療成績の向上に資するために,甲状腺癌を罹患している,または罹患していた患者を対象として2014年10月に外部の調査会社に委託し,インターネットによるアンケート調査を実施した。複数の調査会社に登録されている患者パネルを用いて計565名の回答を得た。回答者の71.0%(401名)が女性で,年代(男女計)は40代165名(29.2%),50代157名(27.8%),60代133名(23.5%)が多くを占めた。罹患してからの期間別では,5年未満217名(38.4%)5年以上348名(61.6%)であり,甲状腺癌の長期予後を反映する回答結果であった。多くの患者が上司や同僚らを含む家族などの近親者に伝えていたものの,正しい理解を得られないなどの課題も浮かび上がった。
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