2016 年 33 巻 2 号 p. 89-96
膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の患者数は疾患概念の普及と画像診断の進歩により年々増加傾向にあり,有症状患者だけでなく検診などで偶然見つかるケースも増えてきている。本邦でも膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドラインが発刊されNET診療に貢献されるものと期待される。NET診断において特に内視鏡検査は重要であり,消化管NET(GE-NET)における内視鏡検査では,質的診断だけではなく,内視鏡治療適応の可否の判断も必要となっている。膵NET(pNET)においてはCT,MRIなど他のmodalityで検出困難な病変も超音波内視鏡検査で検出することができるだけでなく,EUS-FNAによる質的診断も可能となり重要なmodalityとなっている。また,pNETはMEN1の部分症でもあることからpNETを見たらMEN1を疑うことが重要である。ガイドラインでは内視鏡検査の位置付けや所見,内視鏡治療の適応に関してアルゴリズムやClinical Question形式で記載されておりこれらを参考にし,より正確な診療を行うことが重要である。