2018 年 35 巻 3 号 p. 167-172
機能性甲状腺結節に対して,従来,我が国では手術が行われてきた。欧米では131I内用療法が広く行われており,近年は国内外でインターベンションが甲状腺にも応用されている。手術は最も確実で速やかな治療効果を得ることができる。131I内用療法は効果発現が緩徐であり結節の縮小も限定的であるが,十分量の131Iを投与することにより手術と遜色ない甲状腺機能亢進症の改善が可能である。インターベンションでは,経皮的エタノール注入療法が最も普及しているが,さらに有効性の高い熱焼灼療法(ラジオ波焼灼術,レーザー焼灼術,高密度焦点式超音波治療法など)が開発されている。これらの治療法は,手術に比して低侵襲で放射線被曝を伴わないが,熟練した高度の技術を要することもあり広く普及していない。各治療法には長所と短所があり,それぞれの症例,および結節の状態に応じて治療法を的確に選択する必要がある。