日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
微小乳頭癌の治療選択
高橋 淑郎中島 範昭佐藤 真実藤盛 啓成石田 孝宣
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2019 年 36 巻 4 号 p. 203-208

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抄録

近年,世界的に甲状腺微小乳頭癌に対する過剰診断・過剰治療が問題視されている。欧米のガイドラインでは過剰診断にならないよう1cm以下の結節に対するFNAを推奨しない方向に進んでいるが,我が国では世界に先駆けて微小癌に対する非手術・経過観察(active surveillance)の前向き試験が行われ,この結果,本邦のガイドラインでは微小癌に対するactive surveillanceが認められるようになった。本邦からの微小癌に対するactive surveillanceのエビデンス発信により,諸外国でもactive surveillanceが受け入れられつつあるようであるが,微小癌の治療選択を標準化するために克服しなければならない課題は残っており,そのためには我が国だけでなく諸外国からのエビデンスの蓄積,医療者および一般社会への教育,啓蒙も必要である。

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