2020 年 37 巻 2 号 p. 115-121
2019年6月ふたつのがん遺伝子パネル検査が保険適応となり,がんゲノム医療precision oncologyが臨床の現場に導入されて1年が過ぎようとしている。急ピッチで整備してきた検査システムは,がんゲノム外来(相談)の設置,適正な検体・情報管理,エキスパートパネルの整備,二次的所見に対する遺伝カウンセリングなどようやく形が整いつつある。この間にわかってきたことは,いずれのパネルも多数のがん関連遺伝子を包括的に解析するが,特徴は異なっており,目的に応じた使用が必要であるという点,今後は治療へのアクセスと人材の育成が重要であるという点である。特に,乳癌領域においては,今後も遺伝子変異をターゲットとする治療薬が増え,コンパニオン診断としてパネル検査の役割も大きくなると予想されるため,パネル検査のバージョンアップや検査時期・対象の見直しなど,不断の取組みが必要であると思われる。