日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
甲状腺手術における反回神経の術中神経モニタリングのLoss of Signal(LOS)の評価および対応
安藤 孝人舛岡 裕雄木原 実小野田 尚佳宮 章博宮内 昭
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2020 年 37 巻 3 号 p. 176-181

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抄録

甲状腺手術中に神経モニタリング装置(Intraoperative neuromonitoring:IONM)を使用する中で術中の波形消失(Loss of Signal:LOS)に遭遇することがある。LOSは反回神経損傷を示唆する可能性があり,外科医には適切な評価と対応が求められる。2011年にInternational IONM Study Groupから反回神経モニタリングに対するガイドラインが発表され,2018年に第2版が示された。ガイドラインではLoss of Signal(LOS)の定義,具体的なトラブルシューティングが示されている。特に第2版では両側甲状腺切除時において一側LOSとなった際に,対側甲状腺切除を二期的に行うStaged Surgeryを強く推奨していることが特徴である。本稿はガイドラインに基づいてLOSの評価と対応について概説する。ただし,本邦と海外では手術対象疾患を含め甲状腺診療における医療事情が大きく異なるため,実際の対応は個々の症例の背景に応じて対応を考える必要がある。

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