日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
遺伝学的知見のUPDATE
竹越 一博
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2022 年 39 巻 2 号 p. 93-98

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抄録

褐色細胞腫(pheochromocytoma)/傍神経節腫(paraganglioma):PPGLは各々,副腎髄質,傍神経節細胞より発生する腫瘍である。PPGLは本世紀に至り遺伝的背景の研究の急速な進歩により,その概念が全く変わった疾患である。その理由としては下記の2点に集約されよう。(Ⅰ)新しい原因遺伝子SDHBおよびSDHDを初めとして多数の原因遺伝子の同定により,遺伝性の頻度が10%を遥かに上回り,約30~40%であることが明らかにされた。(Ⅱ)悪性化と密接に関係する遺伝子(SDHB)が発見されたこと。

すなわち,PPGLの診療においては遺伝子診断により,症例毎に「悪性(遠隔転移)」「再発・多発」のリスク評価のうえ,個別化した医学的管理を行うことが求められる。今後のがんゲノム治療時代の新たな問題として,ガン遺伝子パネルの2次的所見(secondary findings:FS)で同定されるPPGL遺伝子変異が挙げられる。

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