2019年6月がんゲノムプロファイリング検査が保険承認された。当院で行った甲状腺癌の検査状況について報告する。対象はがんゲノムプロファイリング検査を施行した進行甲状腺癌の16症例とし,診療録を用いた後方視的検討を行った。
15例でFoundation OneⓇを,1例でFoundation OneⓇ Liquidを用い,組織型は未分化癌8例,乳頭癌6例,濾胞癌,低分化癌が1例ずつだった。コンパニオン診断として認められているMSI highやNTRK融合遺伝子は検出されなかった。BRAF変異が最も多く検出され,乳頭癌,低分化癌の全例と未分化癌の37.5%で認めた。14例で治療薬の候補を認めたが,検査結果が出るまでに全身状態の悪化や死亡する症例が4例あり,実際に治療薬の投与に結びついたのは2症例であった。甲状腺癌では治療薬の候補を認めることが多いため,がんゲノムプロファイリング検査のよい適応と考えられるが,現状では治療のアクセスに制約がある。