2022 年 39 巻 4 号 p. 228-232
若手外科医希望者が減少傾向にある中での伸び悩みもあり,新たに内分泌外科を志す若手医師は決して多くないのが現状である。横浜市立大学外科治療学教室では初期研修医を対象とした手技セミナーを年に数回開催している。主な目的は研修医のリクルートだが,若手医局員が実際の手術器具を用いて研修医の指導をすることは技術を後輩に伝えるという外科医にとって重要な教育という側面も有している。内分泌外科医が治療を行う疾患は腺腫様甲状腺腫や甲状腺癌などの腫瘍性疾患のみならず,バセドウ病や橋本病などの機能性疾患も含まれる。また,小児から高齢者まで手術の対象年齢は幅広く,時には妊婦など個々のライフワークステージも考慮した治療が求められ,外科医としてのやりがいは十分である。若手内分泌外科医を増やすためには若手医師に情報を発信し身近なロールモデルを提示していくことが重要だと考える。