ジャフィー・ジャーナル
Online ISSN : 2434-4702
国内輸入に伴う貿易通貨比率とゴトオビアノマリーの関係
秋山 朋也杉本 誠忠酒本 隆太鈴木 智也
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2021 年 19 巻 p. 57-78

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Abstract

本研究では,貿易通貨取引比率の偏りによって生じる外国為替レートのアノマリーについて分析した.日本では江戸時代以前より五十払い(ごとばらい)という商習慣があり,ゴトオビに国内輸入企業の資金決済が集中しやすい.その結果,海外企業への支払いのために円売り需要が一時的に高まり,日本時間10時頃に公示される仲値に向けて円安になりやすい.これは「ゴトオビアノマリー」と呼ばれ,投資家らの経験則として俗世間的に知られているが,ゴトオビの性質上サンプルサイズが小さいため,統計的な信頼性を確保することが難しい.そこで本研究では,前倒しゴトオビ(ゴトオビが休日の場合の前営業日)を加え,サンプルサイズを拡張したうえで,ゴトオビアノマリーの妥当性について統計的仮説検定を行った.その結果,国内輸入における貿易通貨取引比率が最も高い米ドル(USD/JPY)において本アノマリーの傾向が強く,続くユーロ(EUR/JPY)やクロスレート(EUR/USD)において徐々にアノマリーの傾向が弱まることを確認した.さらに本アノマリーの活用事例として投資シミュレーションを実施し,有益なパフォーマンスを得るためのエントリータイミングについて検証した.

1 はじめに

効率的市場仮説やランダムウォーク理論によれば,将来の動きや方向性を予測することは不可能であり,ファンダメンタル分析やテクニカル分析は意味をなさないとされる.しかしながら,実際の市場ではランダムウォークとは考えにくい規則性(アノマリー)が経験的に観測されており,週末効果(French (1980)),月末効果(Ariel (1987))や休日効果(Lakonishok and Smidt (1989))などの季節性が指摘されている.外国為替市場における具体的な事例として,McFarland et al. (1982)はドル建てのリターンが月・水曜日に高く,木・金曜日に低いことを指摘し,Breedon and Ranaldo (2013)は自国の取引時間帯に自国通貨が増価しやすい現象を報告している.さらに1980年代のニューヨーク市場において一部の通貨で存在していた曜日効果が1990年代になると消失した(Yamori and Kurihara (2004))など,アノマリー自体が動的に変化することも指摘されている.このように時期や通貨に応じて観測されるアノマリーが異なるため,多様な観点からアノマリーの事例報告がなされており(Berument et al. (2007)Ke et.al. (2007)Hourvouliades (2010)),不確実な金融市場を解明する手掛かりとして重要な観測事実である.特に,アノマリーによる収益機会は当該アノマリーの認知度によって変化することが指摘されており(McLean and Pontiff (2016)Calluzzo et al. (2019)),為替市場においては市場の局面によって収益率が異なることも報告されている(Bansal and Dahlquist (2000)Baillie and Kim (2015)Sakemoto(2019)).このようにアノマリーの根拠や原因も重要なトピックである.

一方,日本においては江戸時代以前より五十払い(ごとばらい)という商習慣が存在し1,現在もゴトオビ(各月の「5,10,15,20,25,30」の日)に資金決済を行う国内企業は少なくない.特に国内輸入企業においては主に米ドルで支払うため,当日10時頃に公示される仲値において円売り・ドル買い需要が高まると予想される.そこでカバー取引を行う銀行らはドルの需要を見越して早めに資金調達を行うため,仲値公示以前よりUSD/JPYレートに上昇圧力が加わりやすい.なお,国内輸出企業の場合は相手国の支払い待ちなので,相手国に五十払いのような商習慣が存在しなければ同理由による円買い需要は生まれない.したがって輸入と輸出の非対称性により,ゴトオビには相対的に円安になりやすいメカニズムがあると示唆される.これは「ゴトオビアノマリー」と呼ばれ,投資家らの経験則として俗世間的に知られている2.このアノマリーを信じる投資家が多数存在し,互いに先回りをして円売り・ドル買いポジションを保有しようと考えるならば,投資家心理も同アノマリーの強化および早期化の一因となる.

ゴトオビアノマリーは主に日本円を含む通貨ペアに影響をすると予想される.円を主要な分析対象にする意義として,外国為替市場における円の特殊性が指摘できる.Bank for International Settlement (2019)の調査によれば,円は米ドル,ユーロに次いで取引量の多い通貨である3.しかし米ドルとユーロが国際通貨としてのグローバルな要因で変動にするのに対して,円は日本の企業の経済活動や国内投資家の影響といった国内要因が大きいと想定される(Maggiori (2017)Greenaway-McGrevy et al. (2018)Verdelhan (2018)).したがって円の変動に対しては,米ドルやユーロとは異なる視点の分析が求められる.

しかし,ゴトオビは性質上サンプルサイズが小さいため,統計的信頼性のある存在証明が難しい.そこで本研究では,前倒しゴトオビ(ゴトオビが休日の場合の前営業日)も考慮することで可能な限りサンプルサイズを拡張し,ゴトオビアノマリーの妥当性について統計的仮説検定を行う.なお,金曜日(週末)においても資金決済需要が高まると予想されるため,ゴトオビの他に,金曜日に限定した場合や,金曜日かつゴトオビなど,様々な曜日効果を検証する.

さらに本アノマリーの活用事例として,ビッド・アスク・スプレッドを考慮した投資シミュレーションを実施する.先述のように投資家らは互いに先回りをするならば,ポジションを保有すべきタイミングは早期化するだろう.また大きな為替変動による収益を期待するには,長時間ポジションを保持する必要がある.しかし日本時間深夜にはニューヨーク市場やロンドン市場が開いているため,ポジション保有の早期化は不連続的なリスクを伴う.そこで投資シミュレーションを通じて,効果的なエントリータイミングについても検証する.

本研究の結果として,金曜日,ゴトオビ,金曜日かつゴトオビにおいて通常日と異なる統計的有意差を確認でき,本アノマリーの存在を示唆する結果が得られた.また,国内輸入における貿易取引通貨比率の偏りにより,米ドル(USD/JPY)において本アノマリーの傾向が強く,ユーロ(EUR/JPY)やクロスレート(EUR/USD)において徐々にアノマリーの傾向が弱まることを確認した.さらに運用シミュレーションの結果では,投資の効率性にピークとなるエントリー時間を確認し,その理由について考察を図った.

本論文の構成は以下の通りである.2章では,検証に用いたデータの説明や処理について記述する.3章では,本アノマリーや貿易取引通貨比率の偏りによる影響を確認するため,様々な統計分析を通して議論する.4章では,本アノマリーの活用事例として運用シミュレーションを行い,評価指標によって効率的なエントリー時間について議論を深める.最後に5章では,本論文のまとめを行う.

2 検証データ

本研究では,Dukascopy4より取得した2003年5月5日から2019年6月15日における時間足データを用いる.なお期間の理由は後述する.為替レートに僅かな欠損が存在したが,この扱いについても後述する.なお時間足にもかかわらず取引量が0の場合も存在したため,念のため同時間の為替レートも欠損とみなした.さらに先述のように,ゴトオビは必然的にサンプルサイズが縮小するため,前倒しゴトオビ(ゴトオビが休日の場合,前営業日をゴトオビとみなす習慣)を採用した.これによりゴトオビのサンプルサイズを約700日から約1000日に拡大でき,金曜日かつゴトオビについては約160日から約470日に拡大できた.

検証対象として,USD/JPY・EUR/JPY・EUR/USDの通貨ペアに着眼する.その理由として,図1に示すように,国内輸入における貿易取引通貨比率はUSDが圧倒的に高く,続いてJPYとEURが高い.もし五十払いの決済習慣が存在するならば,ゴトオビにおいて支払いに伴うUSDとEURの資金調達需要(JPYからの両替需要)が高まるだろう.しかしJPYで支払う場合は自国通貨であるため両替需要の変化は小さいだろう.以上を考慮すると,JPYからUSDへの両替需要が最も高く,次にJPYからEUR,そしてEURからUSDへの両替需要も考えられる.もし,この仮説が正しいならば,仲値公示の10時に向けてUSD/JPYとEUR/JPYは上昇し,EUR/USDは下落するようなゴトオビアノマリーが観測されるだろう.そこでこれらのレート変化を観測することで,ゴトオビアノマリーの存在を検証する.

図1 国内輸入における貿易通貨比率5

図2に,検証期間における各為替レートの時間推移を示す.レート変化に基づいてアノマリーの妥当性を検証するため,全ての為替レートにおいて上昇と下落のトレンドを含む期間を採用した.これにより検証期間を統一しつつ,バイアスが混在する危険性に配慮した.

図2検証期間における各為替レートの時間推移

3 統計分析

3.1 重回帰分析

仲値は日本時間10時頃(厳密には9時55分)のインターバンク取引レートに基づいて決定されるため,第i日10時の買値をAski(0)とする.これよりn時間前の買値Aski(n)からの収益率をri(n)とすると,

  
ri(n)=Aski(0)Aski(n)Aski(n)(1)

と書ける.これに基づいて,10時までのn時間における為替レートの変化を検証する.なお,Aski(n)が欠損値または休日の場合は,検証対象に含めない.

まず最初の検証として,収益率ri(n)に対してSeyyed et al. (2005)で行われているように重回帰分析を適用する.本研究では,金曜日やゴトオビによる影響を分析するためにそれぞれを意味するダミー変数を用意し,第i日が金曜日ならばFridayi=1,金曜日以外ならばFridayi=0とする.同様に,第i日がゴトオビならばGotobii=1,ゴトオビ以外ならばGotobii=0とする.その重回帰式を以下に示す.

  
ri(n)=a0(n)+a1(n)Fridayi+a2(n)Gotobii+ϵi(n)(2)

ここで全検証期間のiに対する最小二乗法により偏回帰係数a0,a1,a2 を推定し,これを様々なEntry時間nに対して適用する.推定されたa1a2が0から乖離するほど,レート変化は金曜日やゴトオビの影響を受けていると言える.またa0は全検証期間におけるトレンドの有無に相当し,ϵiは上記で表現できない残差である.そこで推定された偏回帰係数に対して統計的仮説検定 (t検定) を適用する.

  
{帰無仮説H0:ak=0対立仮設H1:ak0T(ak)=akEkt(Nm1)(3)

ここでNをサンプルサイズ,mを説明変数の個数とすると,ak に関する検定統計T(ak)は自由度Nm1t分布に従う.なおEkakに関する標準誤差である.検定統計量T(ak)t分布と比較することにより, 有意水準αによる両側検定を行う.

分析結果を表1表3に示す.USD/JPY (表1) においては,偏回帰係数a0(n)の結果よりトレンドの影響は小さい.一方,a1(n)の結果よりEntry時間n=110時間前において統計的有意性を確認でき,金曜日に円に対してドルの価値が上昇しやすい傾向(週末効果)の存在を示唆している.さらに,リターンを計測する期間nを大きくするほど,a2(n)が顕著に大きくなり,統計的有意性も確認できる.つまりゴトオビにおいても円に対してドルの価値が上昇しやすい傾向(ゴトオビアノマリー)を確認でき,さらにこのアノマリーを信じる投資家らの先回り行動によってアノマリーの形成が早期化していると示唆される.

EUR/JPY (表2) においては,a0(n)の結果よりn が小さい場合に下方トレンドの影響が顕著である.この影響が為替レートを上昇させる効果を打ち消したためか,a1(n)a2(n)の有意性を確認できない.しかしnが大きくなるほど,USD/JPYと同様の週末効果やゴトオビアノマリーを確認できる.しかし係数の大きさや棄却される範囲は減少しており,為替レートを上昇させる効果は薄れている.これは2章で議論したように,EURはUSDよりも国内輸入に伴う貿易取引通貨比率が低いため,アノマリーの規模が小さいと考えれば整合的である.

EUR/USD (表3) においても,2章で議論した傾向を示している.国内企業におけるEURからUSDへの両替需要によりEUR/USDレートを下落させる圧力が加わり,ゴトオビにおいてa3(n) は全てのn において負の値を示している.さらにnの範囲は少ないものの,n=49時間前において統計的有意性を確認できる.ただし金曜日の週末効果については統計的有意性を確認できず,a2(n)において正負が混在している.この理由として,USDを調達する際に国内企業はEURよりもJPYで両替するだろうから,USD/JPY (表1) に比べてEUR/USD (表3) の傾向が弱まることは妥当である.

さらに式(2)において,a3(n)FridayiGotobiiの交差項を加えた検証も行った.結果をAppendixの表A.1〜表A.3に示すが,ほぼ全ての場合において偏回帰係数a3(n)に統計的有意性を確認できず,金曜日とゴトオビには相乗効果は見受けられない.したがってa1(n)a2(n)が有意に正であれば,金曜日とゴトオビは相乗効果ではなく加算効果があると言える.なお表1表3に比べて有意な偏回帰係数が減少しているが,交差項との多重共線性により偏回帰係数が分散したためだと考えられる.

表1 USD/JPYにおける式(2)の偏回帰係数および検定結果.記号*は有意水準α=0.05記号**はα=0.01H0 を棄却した場合を示す.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n)
1 時間前 1.75×1003 2.64×1002** 5.03×1003
2 時間前 5.44×1003 2.48×1002** 9.68×1003
3 時間前 4.58×1003 2.62×1002** 1.67×1002*
4 時間前 7.44×1003 2.69×1002** 2.54×1002**
5 時間前 2.19×1003 2.96×1002** 3.38×1002**
6 時間前 5.39×1004 2.96×1002** 4.26×1002**
7 時間前 1.85×1003 1.82×1002 5.55×1002**
8 時間前 3.60×1003 3.31×1002* 4.74×1002**
9 時間前 3.19×1003 3.28×1002* 5.04×1002**
10 時間前 4.07×1003 3.41×1002* 6.30×1002**
11 時間前 6.35×1005 1.87×1004 7.17×1004**
12 時間前 1.06×1004 1.86×1004 6.95×1004**
13 時間前 1.51×1004 2.79×1004 8.31×1004**
14 時間前 9.45×1005 1.87×1004 9.04×1004**
15 時間前 1.69×1005 1.86×1004 8.21×1004**
16 時間前 8.99×1006 2.15×1004 8.56×1004**
17 時間前 1.95×1006 1.42×1004 8.78×1004**
18 時間前 1.67×1005 2.36×1004 8.29×1004**
19 時間前 4.24×1006 2.89×1004 8.19×1004**
20 時間前 7.01×1005 2.85×1004 9.71×1004**
表2 表1と同様.ただしEUR/JPY の場合.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n)
1 6.91×1003* 1.84×1002* 9.74×1003
2 1.51×1002** 1.80×1002 1.90×1003
3 1.85×1002** 2.16×1002* 5.46×1003
4 1.99×1002** 2.27×1002* 7.12×1003
5 1.32×1002* 3.19×1002** 1.42×1002
6 1.02×1002 3.57×1002** 1.62×1002
7 9.95×1003 3.84×1002** 1.97×1002
8 8.73×1003 5.35×1002** 1.23×1002
9 1.16×1003 5.46×1002** 1.83×1002
10 1.80×1003 3.98×1002 3.71×1002
11 8.50×1005 3.31×1004 5.54×1004**
12 9.29×1006 1.79×1004 5.15×1004*
13 4.43×1005 2.08×1004 5.97×1004*
14 4.52×1005 1.29×1004 5.64×1004*
15 3.85×1005 1.36×1004 4.82×1004
16 6.91×1005 1.19×1004 6.06×1004*
17 1.02×1004 1.56×1004 6.37×1004*
18 5.16×1005 1.50×1004 5.26×1004
19 7.57×1005 2.42×1004 5.66×1004
20 9.71×1005 2.26×1004 7.55×1004*
表3 表1と同様.ただし,EUR/USD の場合.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n)
1 8.00×1003** 7.87×1003 4.40×1003
2 8.58×1003** 5.72×1003 7.09×1003
3 1.11×1002** 5.21×1003 1.15×1002
4 1.76×1002** 6.40×1003 1.63×1002**
5 1.20×1002** 1.75×1003 1.86×1002**
6 1.04×1002* 5.63×1003 2.53×1002**
7 7.58×1003 1.93×1002 3.45×1002**
8 3.86×1003 2.08×1002 3.36×1002**
9 6.09×1004 2.39×1002 3.21×1002*
10 2.27×1003 8.55×1003 2.57×1002
11 7.86×1006 1.99×1004 1.86×1004
12 8.83×1005 4.07×1005 1.93×1004
13 1.07×1004 7.05×1006 2.49×1004
14 5.73×1005 1.22×1006 3.32×1004
15 1.97×1005 1.91×1005 3.36×1004
16 7.40×1005 2.68×1005 2.50×1004
17 9.73×1005 7.03×1005 2.30×1004
18 5.61×1005 2.65×1005 2.98×1004
19 7.08×1005 1.47×1005 2.49×1004
20 3.44×1005 2.10×1005 2.22×1004

3.2 上昇確率の検定

前節では重回帰分析によりUSD/JPYにおいてゴトオビアノマリーを顕著に確認できた.さらに,この頑健性を確認すべく,本節では収益率に伴う上昇確率に着眼する.もし為替レートがランダムウォークするならば,Entry時間nから10時までの上昇確率p(n)は0.5である.これを帰無仮説H0とし,実際の為替レートにおいてH0を棄却できるか検定を行う.

まず分析対象日iを「通常日(I),金曜日(II),ゴトオビ(III),金曜日かつゴトオビ(IV)」の4グループに分割し,各グループGに含まれる分析対象日iの集合を{i|iG}と表記する.なお通常日とは,ゴトオビや金曜日を含まない営業日を意味する.この動機として,3.1章の重回帰分析では多重共線性の疑いにより,ゴトウビ,金曜日,金曜日かつゴトウビの影響が分散してしまう懸念があった.そこで本節では,各グループにデータを分割して分析する.

集合の要素数をl{}とすると,各グループGの上昇確率p(n)

  
p(n)=l{iri(n)>0,iG}l{i|iG}(4)

となる.これを標本比率とし,母比率 p0=0.5 との統計的有意差を検定する.

  
{帰無仮説H0:p(n)=p0対立仮設H1:p(n)p0z(p(n))=p(n)p0p0(1p0)N(n)N(0,1)(5)

ここで N(n)p(n)を算出する際のサンプルサイズである.検定統計量z(p(n))は標準正規分布に従い,有意水準αによる両側検定を行う.

さらに通常日との相違を検証するために,2 群間の有意差検定も実施する.まずG1 = (I) より p1(n) を算出し,対する p2(n)G2 = {(II),(III),(IV)} よりそれぞれ算出する.

  
{帰無仮説H0:p1(n)=p2(n)対立仮設H1:p1(n)p2(n)(6)
z(p1(n),p2(n))=p2(n)p1(n)p(1p)(1N1(n)+1N2(n))N(0,1)(6)

ここでp=(p1(n)N1(n)+p2(n)N2(n))(N1(n)+N2(n))N1(n)p1(n)を算出する際のサンプルサイズ,N2(n)p2(n)を算出する際のサンプルサイズである.検定統計量z(p1(n),p2(n))は標準正規分布に従い,有意水準αによる両側検定を行う.

分析結果を表4表6に示す.Entry時間nが大きいほどサンプルサイズN(n)が減る理由は,Aski(n)が休日になるケースが増加するためである.なお,Aski(n)の欠損によってもN(n)は微小に変化する.USD/JPY (表 4) においては,金曜日(II)とゴトオビ(III)において 0.5 以上の上昇確率p(n)を示しており,全てのnにおいて統計的有意性を確認できる.さらに金曜日かつゴトオビ (IV) においては,互いの加算効果により最も高い上昇確率p(n)を示している.一方,通常日(I)においてはp(n)0.5であり,ランダムウォークと同等である.2 群間の有意差検定においても,全てのnにおいて通常日(I)からの有意差を示しており,金曜日による週末効果やゴトオビアノマリーの存在を確認できる.

これらの傾向は,EUR/JPY (表 5) やEUR/USD (表 6) においても同様に確認できる.しかし傾向は明らかに薄れている.これは表 1表 3と整合的であり,日本企業の貿易取引通貨比率の違いに起因するものと考えられる.なおEUR/USD (表 6) においては,上昇確率p(n)は 0.5 以下,2 群間の有意差検定では符号が反転しており,表 3と同様にEUR/USD レートが下落する傾向を示している.

表4 USD/JPY における上昇確率p(n)および検定結果.記号*は有意水準α = 0.05,記号**はα= 0.01 でH0 を棄却した場合を示す.

表5 表4と同様.ただし,EUR/JPY の場合.

表6 表4と同様.ただしEUR/USD の場合.

3.3 収益率の検定

本節では各グループ Gにおける平均収益率に着眼し,収益性の観点からもアノマリーの効果を検証する.そこで,収益率ri(n)について母平均の有意差検定を行う.もし為替レートがランダムウォークするならば,Entry時間nから 10 時までの平均収益率µ(n)は 0 であるため,これを帰無仮説H0とし,実際の為替レートにおいてH0を棄却できるか検定を行う.そこでm{}を集合の要素の平均とすると,各グループ Gの平均収益率µ(n)

  
μ(n)=m{ri(n)|iG}(7)

となる.これを標本平均とし,母平均μ0=0との統計的有意差を検定する.

  
{帰無仮説H0:μ(n)=μ0対立仮設H1:μ(n)μ0z(μ(n))=μ(n)μ0s2(n)N(n)t(N(n)1)(8)

ここでN(n)μ(n)を算出する際のサンプルサイズ,s2(n)は標本分散である.検定統計量T(μ(n))は自由度N(n)1t分布に従い,有意水準αによる両側検定を行う.

さらに通常日との相違を検証するために,2 群間の有意差検定も実施する.

  
{帰無仮説H0:μ1(n)=μ2(n)対立仮設H1:μ1(n)μ2(n)(9)
T(μ1(n),μ2(n))=μ2(n)μ1(n)s12(n)N1(n)+s22(n)N2(n)t(v)(9)

ここでN1(n)μ1(n)を算出する際のサンプルサイズ,N2(n)μ2(n)を算出する際のサンプルサイズである.検定統計量T(μ1(n),μ2(n))は自由度vt分布に従い,有意水準αによる両側検定を行う.なおvの算出には,Welch (1938) の方法を用いる.

分析結果を表7表9 に示す.なおサンブルサイズN(n)表4表6 と同一であるため,標記を省略した.USD/JPY (表7) においては,金曜日(II) とゴトオビ(III) において0 以上の平均収益率μ(n)を示しており,全てのn において統計的有意性を確認できる.さらに金曜日かつゴトオビ(IV) においては,互いの加算効果により最も高い平均収益率μ(n)を示している.一方,通常日(I) においてはμ(n)0であり,ランダムウォークと同等である.2 群間の有意差検定においても,全てのnにおいて通常日(I) からの有意差を示しており,金曜日による週末効果やゴトオビアノマリーの存在を確認できる.

これらの傾向は,EUR/JPY (表8) やEUR/USD (表9) においても同様に確認できる.しかし傾向は明らかに薄れており,いままでの議論と同様に,貿易取引通貨比率の違いに起因するものと考えられる.なおEUR/USD (表9) においては,平均収益率μ(n)は0 以下,2 群間の有意差検定では符号が反転しており,表3表6と同様にEUR/USDレートが下落する傾向を示している.

表7 USD/JPYにおける平均収益率μ(n)および検定結果.記号*は有意水準α = 0.05,記号**はα = 0.01でH0を棄却した場合を示す.

表8 表7と同様.ただし,EUR/JPYの場合.

表9 表7と同様.ただし,EUR/USDの場合.

4 投資シミュレーション

前章の様々な統計的仮説検定を通じて,金曜日の週末効果やゴトオビアノマリー,更にこれらの加算効果について確認した.そこで本章では,これらを実務において応用した場合に,どの程度の効果を期待できるのか検証する.なお日本時間深夜にはニューヨーク市場やロンドン市場が開いているため,ポジション保有の早期化はゴトオビアノマリーとは関係ない要因による価格変動リスクがある.そこで投資シミュレーションを通じて,効果的なEntry 時間n についても検証する.

4.1 累和リターン

実際の売買にはビッド・アスク・スプレッドが伴うことによる内在的リスクが生じる(Bollerslev and Melvin (1994)Lustig et al. (2011)).そこで投資シミュレーションにおいては,式(1)の収益率ri(n)を下記のように変更する.前章の分析結果により,USD/JPY およびEUR/JPY では仲値にかけてレートの上昇を期待するため,Aski(n)で買って,Bidi(0)で売却する.したがって収益率は

  
ri(n)=Bidi(0)Aski(n)Aski(n)(10)

となる.一方,EUR/USDでは仲値にかけてレートの下落を期待するため,Bidi(n)で空売りして,Aski(0)で買い戻す.したがって収益率は

  
ri(n)=Bidi(n)Aski(0)Bidi(n)(11)

となる.なお,Entry 時間nが休日の場合や,Aski(n)Bidi(n)が欠損値の場合は投資しないものとする.

次に,投資日数dの進行に伴い,獲得した収益率ri(n)を加算していく.これを累和リターンR(n,d)とし,次式で定義する.

  
R(n,d)=iG(d)ri(n)(12)

ここでG(d)は,投資開始からd日後までにグループGに含まれる投資対象日iの集合である.なおこれまでと同様に,通常日をG1 = (I),金曜日をG2,1= (II),ゴトオビをG2,2 = (III),金曜日かつゴトオビをG2,3 = (IV) とする.たとえば式(12) においてG=G2,2 とすると,ゴトオビ(III) のみが投資対象日i となる.なお累和による収益計算であるため,毎回の投資において同一額の単利運用を想定している.

累和リターンR(n,d)の時間推移を図3図5 に示す.いずれの為替市場においても,通常日(I)の累和リターンR(n,d)は横ばい,もしくは右肩下がりの推移を示している.この理由として,それぞれのri(n)にはビッド・アスク・スプレッドが考慮されているため,為替レートが変動しなければri(n) < 0 となる.そのためEntry 時間nが小さいほどri(n) < 0 になりやすい.したがって,ゴトオビアノマリーのようにレート変動に偏りを生み出す要因が存在するとしても,nはある程度大きい必要がある.しかし前章で確認したように,通常日(I)にはそのような要因が存在しないため,nを大きくしてもR(n,d)の推移は変わらない.

一方,金曜日(II),ゴトオビ(III),金曜日かつゴトオビ(IV)においては,概ね右肩上がりの推移を示している.つまりビッド・アスク・スプレッドが負担となる実運用においても,週末効果やゴトオビアノマリーを利用することでプラス収益を得られる可能性を示している.また,累和リターンR(n,d)の最終結果を比較すると,概ねUSD/JPY > EUR/JPY > EUR/USD の順になっており,これまでに議論した貿易取引通貨比率の偏りの観点からも整合的である.なお,Entry 時間nを大きくするほど,累和リターンR(n,d)のスケールが拡大し,高収益を得ているように見える.しかし同時にアップダウンの変化も拡大し,高リスクになっているようにも見える.つまり,高収益はポジションを長時間のリスクに晒すプレミアム(Lucca and Moench (2015))と解釈できるかもしれない.そこで次節では,投資の効率性の観点から投資パフォーマンスを評価する.

図3 USD/JPYにおける累和リターンR(n,d) の時間推移.縦軸は100 倍したパーセント表示,横軸は投資日数d,凡例はEntry 時間n を示す.(I)は通常日,(II)は金曜日,(III)はゴトオビ, (IV)は金曜日かつゴトオビを投資対象とした場合である.

図4 図3と同様.ただし,EUR/JPYの場合.

図5 図3と同様.ただし,EUR/USDの場合.

4.2 パフォーマンス評価

投資パフォーマンスの一般的な評価基準として,勝率W(n),プロフィットファクターP1(n),ペイオフレシオP2(n)を算出する.以下に,それぞれの計算式を示す.なお,l{}は集合の要素の個数,s{} は集合の要素の合計値,m{}は集合の要素の平均値とする.

  
W(n)=l{i|ri(n)>0,iG}l{i|iG}(13)
  
P1(n)=s{ri(n)|ri(n)>0}|s{ri(n)|ri(n)<0}|(14)
  
P2(n)=m{ri(n)|ri(n)>0}|m{ri(n)|ri(n)<0}|(15)

ここで,P1(n)は総利益と総損失の比によって投資全体の効率性を評価し,P2(n) は平均利益と平均損失の比によって1 回あたりの投資の効率性を評価する.なお,W(n) > 0.5,P1(n)> 1.0,P2(n) > 1.0 であるほど,良好なパフォーマンスと言える.

評価結果を図6図8 に示す.いずれの為替市場においても,Entry 時間nが小さいほどビッド・アスク・スプレッドの負担により,各指標は低い水準を示している.なお,通常日(I)についてはnを大きくすればビッド・アスク・スプレッドの影響は小さくなるが,W(n)= 0.5,P1(n) = 1.0,P2(n) = 1.0に収束するため,為替レートはランダムウォークと同等である.一方,金曜日(II),ゴトオビ(III),金曜日かつゴトオビ(IV)においては,W(n) > 0.5,P1(n) > 1.0,P2(n) > 1.0 となる傾向が明らかに増幅されている.特に,貿易取引通貨比率の観点からUSD/JPY において顕著であり,そして互いの効果を組み合わせた金曜日かつゴトオビ(IV) において顕著である.これは先述の議論と整合的である.しかし勝率W(n)やプロフィットファクターP1(n)においてピークを確認できるため,効率性の観点では長期のEntry 時間n が良いとは限らない.たとえ総収益を増加できたとしても,総損失も増加すればプロフィットファクターは大きくならない.主に,USD/JPY ではn = 6時間前頃,EUR/JPY ではn=9時間前頃,EUR/USDではn=4時間前頃にピークがある.

この理由の一つとして,ニューヨーク市場やロンドン市場の影響が考えられる.もしアノマリーの存在を知っている投資家が多数存在するならば,他者を先回りする必要性からEntryすべき時間は早まるだろう.しかしn=3 ~ 10 ではニューヨーク市場が,n = 8 ~ 16ではロンドン市場が開いている.先回り競争に勝つことよりも,これら巨大市場による為替変動リスクを避けた方が効率的ならば,上記のようなnに伴うピークが形成されたと考えられる.

図6 USD/JPYにおける投資パフォーマンスの評価指標: W(n)P1(n)P2(n)

横軸はEntry 時間n,縦軸は凡例にて示す.(I)は通常日,(II)は金曜日,(III)はゴトオビ,(IV)は金曜日かつゴトオビを投資対象とした場合である.

図7 図6と同様.ただし,EUR/JPYの場合.

図8 図6と同様.ただし,EUR/USDの場合.

5 まとめ

本論文では,日本独自の商慣習である五十払いに注目し,その影響によって引き起こされるゴトオビアノマリーについて検証した.国内輸入における貿易取引通貨比率の偏りにより,米ドル(USD/JPY)において本アノマリーの傾向が強く,続くユーロ(EUR/JPY)やクロスレート(EUR/USD)において徐々にアノマリーの傾向が弱まることを確認した.重回帰分析においては偏回帰係数の符号によって円安やユーロ安を確認し,為替レートの上昇確率や収益率の観点からもゴトオビアノマリーの有意性を確認した.ゴトオビのみならず金曜日においても有意性を確認できたが,金曜日(週末)にも決済需要が高まるためと考えられる.その結果,金曜日かつゴトオビにおいて最も顕著なアノマリーを確認できた.

本アノマリーの活用事例として,ビッド・アスク・スプレッドを考慮した投資シミュレーションを実施した.先述の統計分析と同様に,アノマリーの傾向が最も強いUSD/JPY において収益性が高く,EUR/JPYやEUR/USD において徐々に収益性は縮小した.プロフィットファクターなどの観点から効率的なエントリータイミングを検証したところ,長時間ポジションを保持するリスクに対する報酬(プレミアム)が考えられるが,仲値公示の4 ~ 9 時間前頃に効率性は上限値を示した.これ以前にエントリーすればニューヨーク市場やロンドン市場からの影響が高まるため,報酬よりもリスクが上回ると示唆される.

Appendix

3.1 章で議論したように,式(2)a3(n)FridayiGotobii の交差項を加えた重回帰分析を実施した.その重回帰式を以下に示す.さらに推定された偏回帰係数およびt 検定の結果を,表A.1~表A.3に示す.

  
ri(n)=a0(n)+a1(n)Fridayi+a2(n)Gotobii(16)
+a3(n)FridayiGotobii+ϵi(n)(16)
表A.1 USD/JPYにおける式(16)の偏回帰係数および検定結果.記号*は有意水準 α = 0.05,記号**は α= 0.01 で H0 を棄却した場合を示す.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n) a3(n)
1 時間前 2.95×1003 1.64×1002 1.13×1002 2.21×1002
2 時間前 4.68×1003 1.84×1002 5.70×1003 1.39×1002
3 時間前 3.38×1003 1.62×1002 1.04×1002 2.20×1002
4 時間前 5.96×1003 1.54×1002 1.76×1002 2.55×1002
5 時間前 1.54×1003 2.53×1002 3.05×1002** 9.64×1003
6 時間前 1.42×1005 3.30×1002* 4.53×1002** 7.80×1003
7 時間前 2.04×1003 1.94×1002 5.65×1002** 2.82×1003
8 時間前 3.30×1003 3.11×1002 4.59×1002** 4.55×1003
9 時間前 3.66×1003 3.58×1002 5.28×1002** 6.88×1003
10 時間前 4.41×1003 3.63×1002 6.47×1002** 4.99×1003
11 時間前 6.09×1005 1.70×1004 7.04×1004** 3.83×1005
12 時間前 1.05×1004 1.82×1004 6.92×1004** 9.33×1006
13 時間前 1.36×1004 1.86×1004 7.59×1004** 2.11×1004
14 時間前 6.70×1005 8.11×1006 7.64×1004** 4.09×1004
15 時間前 1.37×1005 1.37×1005 6.65×1004** 4.55×1004
16 時間前 3.98×1005 1.34×1005 7.00×1004** 4.58×1004
17 時間前 3.19×1005 7.83×1005 7.07×1004* 5.03×1004
18 時間前 3.58×1005 1.11×1004 7.32×1004* 2.85×1004
19 時間前 1.37×1005 1.73×1004 7.28×1004* 2.66×1004
20 時間前 4.351005 1.111004 8.361004** 3.951004
表A.2 表A.1と同様.ただし EUR/JPYの場合.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n) a3(n)
1 時間前 6.57×1003 1.55×1002 1.15×1002 6.28×1003
2 時間前 1.59×1002** 2.51×1002 6.33×1003 1.55×1002
3 時間前 1.88×1002** 2.42×1002 7.12×1003 5.82×1003
4 時間前 2.03×1002** 2.57×1002 9.17×1003 6.74×1003
5 時間前 1.36×1002* 3.48×1002* 1.64×1002 6.58×1003
6 時間前 1.07×1002 3.91×1002* 1.88×1002 7.56×1003
7 時間前 9.29×1003 3.40×1002 1.63×1002 9.89×1003
8 時間前 9.05×1003 5.55×1002** 1.39×1002 4.71×1003
9 時間前 3.16×1003 6.77×1002** 2.84×1002 2.97×1002
10 時間前 4.49×1003 5.73×1002* 5.07×1002* 3.99×1002
11 時間前 1.21×1004 5.65×1004 7.36×1004** 5.34×1004
12 時間前 4.40×1005 4.05×1004 6.91×1004* 5.15×1004
13 時間前 7.51×1005 4.09×1004 7.53×1004* 4.58×1004
14 時間前 6.37×1005 2.50×1004 6.58×1004* 2.75×1004
15 時間前 7.27×1005 3.59×1004 6.56×1004 5.08×1004
16 時間前 8.74×1005 2.38×1004 7.00×1004* 2.73×1004
17 時間前 1.12×1004 2.25×1004 6.91×1004 1.58×1004
18 時間前 6.81×1005 2.57×1004 6.09×1004 2.44×1004
19 時間前 8.87×1005 3.26×1004 6.32×1004 1.93×1004
20 時間前 1.061004 2.851004 8.011004* 1.341004
表A.3 表A.1と同様.ただし EUR/USDの場合.
Entry時間n a0(n) a1(n) a2(n) a3(n)
1 時間前 8.67×1003** 2.22×1003 8.62×1004 1.24×1002
2 時間前 9.98×1003** 6.02×1003 2.58×1004 2.57×1002*
3 時間前 1.23×1002** 4.78×1003 5.28×1003 2.19×1002
4 時間前 1.91×1002** 5.38×1003 8.35×1003 2.61×1002
5 時間前 1.25×1002** 4.90×1003 1.62×1002 7.18×1003
6 時間前 9.85×1003* 2.03×1003 2.81×1002** 8.20×1003
7 時間前 6.34×1003 1.12×1002 4.08×1002** 1.84×1002
8 時間前 3.88×1003 2.09×1002 3.35×1002* 3.08×1004
9 時間前 2.60×1004 2.96×1002 2.77×1002 1.29×1002
10 時間前 7.72×1004 1.83×1002 1.81×1002 2.22×1002
11 時間前 4.02×1005 4.10×1004 2.18×1005 4.80×1004
12 時間前 5.99×1005 2.26×1004 4.90×1005 4.22×1004
13 時間前 6.86×1005 2.46×1004 5.29×1005 5.76×1004
14 時間前 1.73×1005 2.62×1004 1.29×1004 5.95×1004
15 時間前 7.52×1005 3.81×1004 5.44×1005 8.24×1004
16 時間前 1.16×1004 2.49×1004 3.55×1005 6.29×1004
17 時間前 1.35×1004 3.15×1004 3.98×1005 5.58×1004
18 時間前 8.48×1005 1.60×1004 1.52×1004 4.26×1004
19 時間前 9.48×1005 1.71×1004 1.27×1004 3.57×1004
20 時間前 6.351005 2.101004 7.481005 4.321004
謝辞

本研究の遂行にあたり有益なご助言を頂いた,櫻田 学氏や對馬 誠一氏,ワイジェイFX株式会社の市川 佳彦氏やホ エルデン氏,ザイFX! 堀之内 智氏に感謝申し上げます.また,本稿の内容はすべて筆者の個人的見解であり,所属組織の公式見解ではありません.

なお本研究の一部は,JSPS科研費 (20K11969) の助成により行われました.

Footnotes

1 赤山禅院Webページ: http://http://sekizanzenin.com/gotobarai.html (参照日: 2020年10月3日)

2 ザイFX!Webページ: https://zai.diamond.jp/articles/-/271360 (参照日: 2020年10月3日)

3 2019年4月における為替取引に占める主要通貨の割合は, 米ドルが44.5%, ユーロが16.0%, 日本円が8.5%, 英国ポンドが6.5%となっている.

4 Ducascopy Webページ: https://www.dukascopy.com/swiss/english/marketwatch/historical/ (参照日: 2020年10月3日)

5 財務省関税局Webページ: https://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/tuukahappyou.htm (参照日: 2020年10月3日) をもとに作成した.

参考文献
 
© 2021 一般社団法人日本金融・証券計量・工学学会(ジャフィー)
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