2023 年 21 巻 p. 43-62
機械学習技術の発展により, 近年では深層強化学習を用いたポートフォリオ構築モデルが提案されている.しかしながら深層強化学習は計算負荷が高いため, 先行研究では少数の投資対象銘柄を対象にしており, また非常に短い間隔でのリバランス問題としてモデルが構築されている.本論文では, 大きな資金を運用する機関投資家の資産運用に利用可能なモデルを構築することを目的として, 広範な投資対象銘柄, 取引コスト(回転率, 流動性), 月次程度のリバランス間隔などを考慮した深層強化学習モデルを提案する.国内株式市場の株式データを用いた実証分析の結果, 提案したモデルは大型・中型500銘柄の投資対象銘柄を現実的な時間で取り扱うことができ, 構築したポートフォリオは先行研究で利用されている深層強化学習モデルや標準的な機械学習モデルを用いたものに比べ高い有効性を有していることを示した.