Journal of Applied Glycoscience
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ウシ優性卵胞と閉鎖卵胞の卵胞液中におけるN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ I 活性の解析
野崎 浩文宮本 明夫林 憲悟松井 基純吉田 孝中村 正荒井 威吉浦島 匡
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2004 年 51 巻 4 号 p. 315-320

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抄録

ウシ優性卵胞と閉鎖卵胞の両卵胞液(bFF)中にβ2-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(GnT I)活性を検出した.本酵素活性は至適pHを5.8に示し,二価金属イオン絶対依存性(Co2++>Mn2+>Mg2+)と基質特異性(α1-3α1-6マンノペンタオース>α1-3α1-6マンノトリオース>α1-3マンノビオース)を有していた.α1-3α1-6マンノペンタオースに対するKm値は2.17mMであった.閉鎖卵胞のbFF中GnT I活性は優性卵胞のbFF中のそれより顕著に高かった.一方,t-検定解析により,優性卵胞のbFF中のGnT I活性はLHサージの前後で有意な変化を示さなかった.以上の結果から,顕著に亢進した閉鎖卵胞のbFF中GnT I活性は卵胞の閉鎖化に関与している可能性が推察された.

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© 2004 by The Japanese Society of Applied Glycoscience
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