澱粉工業学会誌
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甘藷澱粉製造時における次亜塩素酸ソーダの効果について
緒方 幹男
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1955 年 3 巻 4 号 p. 168-170

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抄録

 甘藷澱粉製造時の摺込の際に次亜塩泰酸ソーダ(有効塩素50,000p.p.m.)の0.1%液と0.3%アルキルアリル・スルホン酸ソーダ混液の120ccを甘藷100g磨砕時に使用する事により品質特に澱粉の白さに良結果を与えた。寄込時にを添加する場合にはBe17において100ccの澱粉乳に0.5g添加で相当の白さを与えた。土肉の精製にはBe10でH5%添加が最も良い沈澱状態と色を示した。醗酵防止のためには生澱粉50gに対し,H(原液濃度5%のもの)0.5cc添加でその目的を達した。然し実際の場合には日光の直射を受け易いので幾分の差が生ずるものと思われる。摺込上澄液,生澱粉,澱粉貯蔵中の上澄液の各区の菌培養及び醗酵試験を行い,H添加により菌の発育,醗酵の阻害を来した事を認めた。尚今後実際工場において実験を行い,その結果を見究めたい。

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