抄録
添加物別餅の食味特性を検討する目的で, セマンティック・ディファレンシャル (SD) 法により官能評価を実施し, 因子分析を行った結果を要約すると以下のようである.
1. 糯米100%餅, ワキシーコーン澱粉入り餅およびキャッサバ澱粉入り餅の外観, 風味, 食感および嗜好的イメージに関する食味特性のプロフィールでは, 外観を除くその他の項目で, 糯米100%餅とキャッサバ澱粉入り餅が比較的近似していた.
2. 食味特性の強弱と好き・嫌いの相関関係において, 外観では, 組織が均一である, きめが細かい, 白っぽい特性を持つ餅が好まれ, 風味では, 香り, 旨味, こくのある餅, 食感では, こしがある, 歯切れがよい, 弾力性がある, 口あたりのなめらかな餅が好まれることが認められた.
3. 食味特性の特徴を因子分析によって抽出した結果, 第1因子は外観, 第2因子は嗜好的イメージと風味, 第3因子は食感の因子であり, 寄与率はそれぞれ, 39.1, 36.2, 24.7%であった. 多重比較による試料間の有意差検定を行った結果, 試料の異なる餅の特徴を把握することができた.
4. 食味特性の好き・嫌いに関する因子分析の結果, 第1因子は食感と風味, 第2因子は外観であり, 寄与率はそれぞれ, 65.7, 34.3%であった. また, 多重比較による試料間の有意差検定の結果, 外観ではワキシーコーン澱粉入り餅が, 食感と風味ではキャッサバ澱粉入り餅が好まれ, 嗜好性の多様化していることが認められた.