抄録
Aspergillusniger菌体結合型イソプルラナーゼを液体培養で得た菌体から,1)Novozyme234で菌体から酵素を可溶化し,2)ρ-セルロース(pH3.8)とDEAE-セルロース(pH5.5)のクロマトグラフィー,3)クロマトフォカシング(pHを6 .2から4.0に変化させる)および,4)バイオゲルP-100によるゲル濾過で精製した.精製酵素はPAGEで1本の糖タンパクのバンドを,TSK-ゲル(G-3000Swxz)のHPLCで1本のピークを示した.プルラン,パノース(Glcp(α1→6)Glcp(α1→4)Glc),62-α-マルトシルマルトース(Glcp(α1→4)Glcp(α1→6)Glcp(α1→4)Glc)に対する作用は既報の菌体外酵素と同じであった.至適pHと温度は両者ほぼ同じであったが,分子量および等電点では異なり,それぞれ62,000と4.8(菌体結合型酵素),74,000と4.65(細胞外酵素)であった.