澱粉科学
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スクロースホスホリラーゼ,キシロースイソメラーゼおよびラミナリビオースホスホリラーゼを用いたスクロースのラミナリビオースへの変換
北岡 本光佐々木 堯谷口 肇
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1993 年 40 巻 3 号 p. 311-314

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抄録
 ラミナリビオースを,スクロースを原料として触媒量のリン酸存在下でスクロースホスホリラーゼ,キシロースイソメラーゼおよびラミナリビオースホスホリラーゼを同時に作用させることにより合成した.50mMイミダゾールー塩酸緩衝液(pH7.0)中,20mMリン酸存在下において,200mMスクロースに0.47U/mlスクロースホスホリラーゼ,0.072U/mlキシロスイソメラーゼ,0.37U/m1ラミナリビオースボスホリラーゼの混合酵素系を37℃ で作用させたところ,反応48時間後に反応混液中のラミナリビオース濃度は110mM(収率55%)に達した.反応15時間後からラミナリトリオースの生成がみられ,反応48時間後には22mMに達した.また微量のラミナリテトラオースの生成も確認された.セロビオースボスホリラーゼを用いた同様なセロピオースの合成実験では,三糖以上のオリゴ糖は生成しなかった.この違いはセロビオースホスホリラーゼが三糖以上にはまったく作用しないのに対して,ラミナリビオースボスホリラーゼは弱いながらも三糖以上に作用するため生成されるものと考察された.
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© 日本応用糖質科学会
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