Journal of Applied Glycoscience
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 大腸菌で発現させたThermus aquaticus由来耐熱性ホスホリラーゼの構造と諸性質
鷹羽 武史柳瀬 美千代高田 洋樹岡田 茂孝
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2001 年 48 巻 1 号 p. 71-78

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抄録
 Thermus aquaticus由来耐熱性ホスホリラーゼの部分アミノ酸配列を利用して,本酵素遺伝子を単離し,塩基配列を決定した.本遺伝子のORF部分(2460塩基対)をtacプロモーター制御下に組み込んだ発現ベクターを保持する大腸菌は,耐熱性ホスホリラーゼ活性を示し,このことから本遺伝子が,ホスホリラーゼをコードしていることを証明した.大腸菌で発現させた本酵素をSDS-PAGEで単一バンドを示すまで綴し,諸性質を調べた.本酵素のグルカン合成反応における最小のプライマーはマルトトリオース,分解反応における最小の基質はマルトテトラオースであった.これらは通常のホスホリラーゼに比べ,それぞれグルコース1単位ずつ短く,新たな基質特異性を有する酵素であった.本酵素はその構造においても,通常のホスホリラーゼと異なり,新たなホスホリラーゼグループに属する酵素であると考えられた.
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© 日本応用糖質科学会
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