Journal of Applied Glycoscience
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新しいアミノ基の修飾剤,1,5-アンヒドロ-D-フルクトースによるアミノ酸と蛋白質の修飾
Kazuhiro YoshinagaMami FujisueJun-ichi AbeYasuhito TakedaSusumu Hizukuri
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2002 年 49 巻 2 号 p. 129-135

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抄録
 1,5-アンヒドロ-D-フルクトース(1,5-アンヒドロ-D-アラビノ-ヘキソ-2-ウロース,1,5-AF)はアミノ基とよく反応するため,アミノ化合物の修飾剤としての利用が期待できる.グリシンと1,5-AFを50℃,pH7.5で反応させた場合の着色は,グルコースやキシロースよりも大きかった.1,5-AFとグリシンの混合物を凍結乾燥した後,30℃ で48時間反応させると45%のアミノ基が修飾された.一方,同じ条件のグルコースでは5%以下であった.この1,5-AFによる修飾をリゾチームに応用した.修飾リゾチームの質量分析から1,5-AFが分子内に導入されていることが確かめられた.修飾リゾチームの最適pHは,グリコールキチンを基質とした場合pH4.5で未修飾はpH5.0であった.一方,Micrococcus lysodeikticusの乾燥菌体を基質とした場合は最適pHが修飾によりpH7.8から6.0に変化した.コムギ蛋白であるグリアジンとグルテニンを同様に修飾したところ,修飾グリアジンの乳化性と溶解性が向上した.
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© 日本応用糖質科学会
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