Journal of Applied Glycoscience
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ArthrobacterglobiformisW31の産生する2種のエンドデキストラナーゼの精製および特性
鈴木 千景海野 剛裕大庭 弘義増田 義丈赤野 裕文松井 博和沢井 輝男岡田 嚴太郎
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2002 年 49 巻 2 号 p. 167-174

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抄録
 グラム陽性土壌細菌Arthrobacter globiformisW31が菌体外に産生する2種のデキストラナーゼ(dextranaseI,II)を各種カラムクロマトグラフィーを組み合わせて精製し,Native-およびSDS-PAGEにおいてそれぞれ単一の染色バンドを示す高純度標品を得た.精製酵素のpIおよび分子質量は,それぞれ48.3,107kDa(dextranase I),4.5,70 kDa(dextranase II)であり,両酵素は同一のN末端アミノ酸配列(NH2-S-V-A-P-L-AS-T-P-T-L-T-T-W-)を示した.反応至適pHは両酵素ともpH 6.0であった.両酵素をデキストランT-2000に作用させた際の反応生成糖のアノマー型はα型を示し,基質分子内のα-グルコシド結合が保持されることが示唆された.両酵素はデキストランT.2000に対しエンド型の水解様式を示し,主反応生成糖としてイソマルトトリオースを,またDP4以上の一連のイソマルトオリゴ糖や相当量の各種構造未知糖を生成した.さらに,両酵素はイソマルトース,イソマルトトリオースおよびイソマルトテトラオースに対し,全く水解作用を示さなかった.
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© 日本応用糖質科学会
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