本稿は,2016年12月5日に日本大学文理学部において開催された公益社団法人 日本地下水学会主催のシンポジウム「水循環基本計画の下での地下水に関する取り組み」において講演した内容に基づいて,これを加筆・修正したものである。わが国において,地下水を含む循環する水が初めて法的に位置づけられた「水循環基本法」の成立を受けて,「水循環基本計画」が2015年7月10日に閣議決定された。この決定から間もなく二年が経過しようとしている現時点において,本基本計画に基づいた施策の進捗状況を踏まえ,地下水学の観点から「流域水循環に果たす地下水の役割」,「地下水流動の可視化」,「地下水ガバナンス」について述べ,水循環に関する施策の推進を図るための主な課題について記した。また,「持続可能な地下水の保全と利用」に関する重要課題として,個別法としての「地下水保全法」の制定が必要不可欠であることを指摘した。