地下水学会誌
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技術報告
降雨浸透過程の数値解析に関する汎用プログラム間の比較
南部 卓也斎藤 広隆笹井 友司末永 弘田原 康博德永 朋祥菱谷 智幸
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2020 年 62 巻 3 号 p. 399-413

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抄録

降雨浸透過程は,不飽和帯の浸透特性や境界条件の非線形性や流体挙動の取り扱いなど,多くの留意点を有する。一方で,数値解析パッケージの普及により,問題の複雑さや留意点を十分に理解されないまま解析が進められることもある。そこで,複数の飽和・不飽和浸透流の汎用プログラムを用いて,斜面の降雨浸透問題を対象として,境界条件や不飽和浸透特性などの取り扱いの違いが解析結果に与える影響について検討した。その結果,先行降雨を受けた状態を想定した初期飽和度が高い場合は,圧力水頭などの変化に大きな違いはないが,斜面が乾燥している状態を想定した初期飽和度が低い場合は,流体挙動や不飽和透水係数の取り扱いの違いが表れた。

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© 2020 公益社団法人 日本地下水学会
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