飽和・不飽和圧密解析法に基づく斜面安定解析方法について詳述した。場の方程式,水分特性曲線モデル,および二つのサクション効果を考慮した弾塑性モデルが,三つの土の不飽和状態に基づいて議論された。自然斜面を模した,比較的硬い基盤上に,浅く緩い表面砂層が堆積した斜面に対して行われた,一連の1g場での降雨破壊模型実験を,この方法を用いて解析した。実験結果より,法先に雨水が溜まり,間隙水圧が負圧から正圧に変化し,そこから破壊が始まることが,破壊機構としてわかった。これらの実験結果は,この方法を用いてよくシミュレートできた。この方法は,降雨による斜面安定問題を評価するための強力な解析ツールになる可能性がある。