2025 年 67 巻 3 号 p. 327-338
本研究では,コンクリート三面張り堤防において高水位作用時の堤体への河川水の浸透について,裏法尻の排水設備の有無に着目した遠心載荷実験を行った。コンクリート三面張り堤防の裏法尻に通常のコンクリート製法留工を設置したケースでは,河川水が堤体内に浸透し裏法尻付近で間隙水圧が上昇した。コンクリート製法留工背面に排水ドレーン工の設置することや,法留工をふとんかごに置き換えることで裏法尻付近での間隙水圧の上昇を抑える効果があることを見出した。また,排水設備として設置した法尻ドレーン工およびふとんかご法留工が裏法尻保護の役割を果たし,堤体土の吸出しや堤体の変状を抑制する効果があることを示した。