地下水学会誌
Online ISSN : 2185-5943
Print ISSN : 0913-4182
ISSN-L : 0913-4182
論文
コンクリート三面張り堤防におけるドレーン工の効果検証に関する遠心模型実験
鬼丸 颯人川尻 峻三重枝 未玲廣岡 明彦
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 67 巻 3 号 p. 327-338

詳細
抄録

 本研究では,コンクリート三面張り堤防において高水位作用時の堤体への河川水の浸透について,裏法尻の排水設備の有無に着目した遠心載荷実験を行った。コンクリート三面張り堤防の裏法尻に通常のコンクリート製法留工を設置したケースでは,河川水が堤体内に浸透し裏法尻付近で間隙水圧が上昇した。コンクリート製法留工背面に排水ドレーン工の設置することや,法留工をふとんかごに置き換えることで裏法尻付近での間隙水圧の上昇を抑える効果があることを見出した。また,排水設備として設置した法尻ドレーン工およびふとんかご法留工が裏法尻保護の役割を果たし,堤体土の吸出しや堤体の変状を抑制する効果があることを示した。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本地下水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top