老年看護学
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看護学生の老年者との対話の問題と特徴
清水 裕子
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2007 年 11 巻 2 号 p. 56-63

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抄録

研究目的は,看護学生の老年者へのかかわりにおける対話の問題と特徴を明らかにすることである.研究方法は,看護学生833名を対象に,留置法による質問紙調査を行った.質問項目は,看護学生が実習において体験した老年者とのかかわりを想起し,自由記述で回答したものをもとに作成した.質問紙は内容妥当性が確かめられた43項目であった.評価尺度は,「大変あてはまる」から「全くあてはまらない」の7件法であった.分析はSPSSによる探索的因子分析,多次元尺度法を用いた.その結果,看護学生の老年者との対話の特徴として,4つの因子が抽出された.その因子は「かかわりへの戸惑い」,「かかわりへの懸念」,「かかわりへの偏見」,「かかわりの困難さ」であった.これらの因子は,看護学生の老年者-の不安などの感情が影響した態度と,老年者への価値意識を表した.また,対話の特徴は,認知と態度の2軸上に布置する概念である.

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