抄録
本研究の目的は,在宅認知症ケアの質の確保・向上に向けた認知症ケア専門特化型訪問看護ステーションのサービスの質の評価基準を開発することである.研究方法は3段階からなり,第1段階(先行研究・報告等の文献レビュー)および第2段階(エキスパートオピニオンレビュー)から原案を作成し,第3段階として原案の遂行度ならびに重要性について全国の訪問看護ステーションにおいて評価(調査)した.研究の結果,認知症ケア専門特化型訪問看護ステーションのサービスの質の評価基準として,サービスの構造の質(訪問看護ステーションの人的,物的,財源的各資源の有無や内容)の評価基準14項目および,同過程の質(訪問看護サービスの提供過程における行為や内容)の評価基準20項目が開発された.今後は,これらサービスの質の評価基準と在宅認知症ケアにおけるアウトカム等との関連性を検証することが課題である.