2017 年 21 巻 2 号 p. 75-82
本研究では,通所事業所における電動カートを活用したグループ活動の評価を目的とする.対象は,X通所事業所の利用者で,電動カートに関心があって安全に操作でき,本人および家族の承諾が得られた5人とした.活動は,敷地内の走行や2km先の公園へのツーリングなど,参加者の意向を踏まえて月2回の頻度で実施された.1年後,生活の変化と主観的満足度について,半構成的面接による約20分のインタビューを対象者に行った.インタビューの結果,5人すべてにコミュニケーションの増加,家庭のなかでの役割の増加,新たな活動へのチャレンジといった生活の変化が認められた.また,5人すべてが活動を楽しみ,満足度が高かった.よって,要介護状態の高齢者であっても,電動カートという新たな移動手段獲得の可能性が期待された.また,活動量が増加し要介護度の悪化を認めなかったこと,すなわち健康的な生活を継続できたことから,介護予防につながることが示唆された.