老年看護学
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高齢者の「予想される死」の援助場面における訪問看護師による「呼吸停止確認」の現状
齋藤 美華村崎 志保川原 礼子佐藤 千穂
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2019 年 24 巻 1 号 p. 59-68

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抄録

 高齢者の「予想される死」の援助場面における「呼吸停止確認」の現状について訪問看護師に郵送質問紙調査を実施し,122人から回答を得た.

 医師不在時に「呼吸停止確認」をしている訪問看護師は69人,していない訪問看護師は53人であった.看護師による「呼吸停止確認」に「賛成である」と考えている人は40人(32.8%)であり,「呼吸停止確認」をしていないが「すべきと考える」3人(2.5%)と「条件が整えば実施してよいと考える」の33人(27.0%)を合わせると,約6割の看護師が看護師による「呼吸停止確認」について肯定的にとらえていた.また,認定・専門看護師は有意に「呼吸停止確認」を肯定的にとらえていた.看護師は,医師の到着時間が遅いという現状のなかで,高齢者および家族のよりよい看取りを尊重するために「呼吸停止確認」を行っていた.

 近年,看護師の医行為が急激に拡大しつつある現状のなかで,改めてケアとキュアの統合の推進の必要性が明らかになった.

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