本研究の目的は,大学3年次における老年看護学演習において,「アクティビティケア」の授業を企画・実施し,受講後の学生レポートから「アクティビティケア」「音楽療法」「絵画療法」の各認知度と体験内容を明らかにし,教育的成果を考察することである.分析対象は,「絵画療法」と「音楽療法」の各90分の授業受講生93人のレポートであり,テキストマイニングによる分析を行った.結果,認知度は「アクティビティケア」24%,「絵画療法」59%,「音楽療法」81%であった.学生は「絵画療法」中は「楽しい」「集中」,「音楽療法」中は「楽しい」「リラックス」等の感情を抱き.「絵画療法」後は「みな」「楽しい」,「音楽療法」後は「アセスメント」「方法のすばらしさ」等の感想をもった.「アクティビティケア」の体験演習は学生の療法の理解を深め,各療法の適応や有効性,および個別性のある高齢者ケアの方法を思考する機会となることが推察された.