2020 年 24 巻 2 号 p. 49-54
認知症の行動・心理症状(BPSD)は,認知症が進行していく段階のなかで1つ以上の症状が出現し,共通したものではなく,出現する時期も異なる.その原因・要因は認知症による認知機能障害を背景に身体的状況,心理的状況,社会的背景や環境要因が作用している.援助する側は,その原因・要因を理解して援助を行う必要があるが,BPSDの症状のみに着目してしまい,対応に苦慮することがある.
今回,脳血管疾患の治療後に転院による環境変化からBPSDを示した認知症患者に対して,特殊な状況ではないという視点から,心理的状況の理解と対人関係を築くことを目指した.その結果,関わり方を見直して対人関係を築いていく必要があること,ケア場面の反応や変化について情報共有することは心理的状況の理解と認知症患者のもっている力を引き出す援助につながること,心理的状況の変化を把握しながら援助をすることは生活の安心につながることがわかった.