2020 年 24 巻 2 号 p. 55-59
認知症治療病棟の看護職・介護職(以下,ケア実践者)にとって食事時間は,大勢の認知症高齢者の食事支援にはいる必要があり,認知症高齢者が食事に課題があっても原因を究明できる余裕はなく,対応策が見つからないまま困難感を抱くこともある.このような現場の背景から,院内の認知症看護認定看護師がアセスメントの内容や具体的な支援方法をケア実践者に伝達していくことは,ケア実践者のロールモデルとなり,認知症高齢者の障害と心理面の理解が深まり,認知症ケアの質の確保,尊厳につながると考える.認知症高齢者が“食べられない理由”をケア実践者が理解することにより,認知症高齢者の重症度や障害に応じた食事支援方法が確立できると考える.今回,食事の援助が困難であり支援方法がわからないと相談を受けた7事例について,具体的な実践内容を報告した.重症度はほとんどが中等度と重度であった.試行錯誤や取り組みのなかでの関わりから,認知症高齢者の食べられない状態と心理面を推測し,本人に合わせたケアに近づけたと考える.