老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
原著
終末期医療における高齢者の意思決定に関わる看護師の能力向上を支援するプログラム開発
看護の専門的自律性とアサーティブ・コミュニケーション能力向上への介入効果の評価
長尾 匡子
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2022 年 27 巻 1 号 p. 46-56

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抄録

 終末期医療での高齢者の意思決定支援においては,看護の専門的自律性とコミュニケーション能力が不可欠である.そこで,「看護の専門的自律性を基盤としたアサーティブ・コミュニケーション能力向上プログラム(PAN-AC)」を開発し,一般病院の看護師に実施して効果を評価した.講義やグループ討議を内容とするプログラム全4回に参加した32人を分析対象とし,介入前後の測定値でWilcoxon符号付順位検定を行った.「看護の専門的自律性」を評価する看護の専門的自律性測定尺度は,下位因子「認知能力」「実践能力」が介入前に比して介入後は有意に高値となった.「アサーティブ・コミュニケーション能力」を評価する日本語版RASは,下位因子「非主張的な自己表現」が介入前に比して介入後は有意に高値となった.プログラムが,終末期医療における高齢者の意思決定支援に有効との示唆を得た.

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