老年看護学
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原著
尿意を表出できる施設入所高齢者の中途覚醒と夜間おむつ交換の関係
小西 円佐々木 八千代白井 みどり
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2022 年 27 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

 本研究は,尿意を表出できる施設入所高齢者の中途覚醒時間等と夜間おむつ交換との関係を明らかにすることを目的に,女性高齢者5人を対象に排泄状況や睡眠変数等のデータを2週間収集した.対象者は90~97歳,NMスケール37~27点,N-ADL 29~15点,日中はトイレとおむつを併用し,夜間は尿意の訴えはなく,定時のおむつ交換を1晩に2回受けていた.対象者別の中途覚醒時間の中央値は33.0~114.5分で,中途覚醒時間の年代別基準値80分未満は3人であった.この3人では1時間あたりの中途覚醒時間は22時ごろまでに減少,5時ごろから増加する傾向を確認したが,残る2人にこの傾向はなかった.おむつ交換前後の睡眠状態に関するデータは2週間で28回/人得られ,交換前に覚醒状態で交換後に睡眠状態は4人に2~4回/人,交換前に睡眠状態で交換後に覚醒状態は1人に8回確認された.高齢者によって中途覚醒の傾向は異なり,夜間のおむつ交換は入眠,中途覚醒いずれの要因にもなると考えられた.

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