本研究の目的は,通所介護を利用し,サルコペニアを有する要支援・要介護高齢者におけるサルコペニアの摂食嚥下障害(sarcopenic dysphagia:SD)の関連要因を明らかにし,予防・改善に向けた支援の示唆を得ることである.
通所介護を利用する,地域在住の要支援・要介護高齢者78人を対象者とした.身体機能や栄養状態,認知機能,口腔・嚥下機能,食事摂取に関連する生活背景についてデータを収集し,χ2検定,Mann-WhitneyのU検定,ロジスティック回帰分析を実施した.
対象者78人のうち,サルコペニアの者は49人(62.8%),SDの者は13人(16.7%)であった.サルコペニアの者49人におけるSDの関連要因として,年齢(OR:1.489, 95% CI:1.053-1.597),舌圧(OR:0.92,95% CI:0.557-0.973),食品摂取多様性得点(OR:0.85, 95% CI:0.264-0.959)が抽出された.
サルコペニアを有する要支援・要介護高齢者におけるSD予防には,食品摂取多様性や舌圧の維持・向上に向けた生活指導や指導内容を継続できるためのアプローチが必要であることが示唆された.