抄録
本研究はフランスのスキー観光の特性について,スキーヤー,スキー場,リゾートタウンの3要素からナショナルスケールで分析した。その上で日本の状況と比較検討し,日本のスキー観光の持続的発展に貢献しうる諸点について考察した。フランスのスキー観光は,スキーヤー数およびスキー場開発段階からみて成熟傾向にあり,北アルプを中心に立地する規模の大きなスキー場へ訪問が集中している。リゾートタウンの宿泊施設ではセカンドハウスの割合が高いことが特徴的であり,ホテルの高級化も進んでいた。両国のスキー観光を比較すると,国内スキーヤーの重要性が高い点が共通するが,フランスではヴァカンスにもとづく1週間程度の長期滞在,日本では週末中心の滞在がなされる点が異なる。また近年の日本でみられる外国人スキーヤーの増加についても,フランスにおける外国人の観光行動や訪問開始時期の点で差異があり,日本では独自の外国人対応が必要となることを指摘した。