地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
兵庫県養父市ハチ高原におけるスキー観光地域の展開
外的要因がもたらす変化への宿泊施設の対応
治部 憲良矢ケ﨑 太洋
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2024 年 17 巻 2 号 p. 83-100

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抄録
日本の山村地域では,スキー場の開発をきっかけに各地に観光地域が成立した。一方で,スキーブームの盛衰は観光地域の多様化をもたらし,教育旅行や外国人を受け入れる地域が現れた。今日,教育旅行が見直されて,縮小を余儀なくされつつある。また,新型コロナウイルス感染症の流行も観光業に負の影響を与えた。本稿では,兵庫県養父市に位置し,教育旅行を数多く受け入れるハチ高原を事例に,その展開と外的要因によってもたらされた変化への宿泊施設の対応を検討した。ハチ高原は山岳スキーの場となり,集落部から観光業が発展したが,開発の進行に伴って,観光業の重心は高原部へ移行した。ハチ高原における宿泊施設は独自性が強く,外的要因に対する対応は多様なことが明らかになった。また,ハチ高原では,教育旅行の縮小や新型コロナウイルス感染症の流行の影響は限定的であった。
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© 2024 地理空間学会
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