地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
地域ブランド食品開発を通じた場所イメージの生産
三國バーガーを事例として
池田 和子
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 6 巻 1 号 p. 19-33

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抄録

 本稿は,ご当地バーガーの開発を通じて開発主体が生産・再生産する場所イメージを明らかにする。本稿では開発主体の語りに加え,無意識に生産される場所イメージを解明するために主体の選択行動を分析の対象とした。福井県坂井市三国町の三國バーガーに関する分析の結果,(1)三國バーガー開発は派生的に行われ,商品の方向づけもメンバーの人間関係や助成の要件の影響を受けていた。(2)三國バーガーの材料の選択と命名の過程には,地域ブランドの密接関連性向上と地域ブランドとしての正当化がみられる。(3)プロジェクトはまちづくり活動や三國バーガー開発に際し,他の複数の場所イメージを断片的に参照していた。その上に特産品を重層的に重ね,三國バーガーのイメージが創出されていた。三國バーガーはプロジェクトが目指す三国を表した商品である。

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© 2013 地理空間学会
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