地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
6 巻 , 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 臼井 麻未, 横山 智
    2013 年 6 巻 1 号 p. 1-18
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/04/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,アジアのカビ酒圏を中心とした伝統酒の酒造と飲酒の研究をレビューした。その結果,酒造に関しては,酒類別に異なる研究傾向が見られ,さらにどぶろく系と蒸留酒系では地域による違いも論じられている。また,飲酒と文化の関係性に関しては,飲酒の目的を儀礼,もてなし,生活に分類して研究を整理したところ,地域共通の飲酒規範が存在することが明らかになったが,その規範は近代化によって大きく変化しつつある。既存研究のレビューを通して,本稿ではアジアの伝統酒をとらえるための三つの研究視点を提示した。1 点目は,研究アプローチ方法が確立されていない飲酒の地域差を解明する必要性,2 点目は,飲酒の地域性が失われつつある中で,文化的側面から地域固有の伝統酒の存在意義を再考する研究の必要性,そして3 点目は,伝統酒の地域性を解明するための地理学的な総合的視点からの多面的研究アプローチを採用する必要性である。
  • 池田 和子
    2013 年 6 巻 1 号 p. 19-33
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/04/11
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は,ご当地バーガーの開発を通じて開発主体が生産・再生産する場所イメージを明らかにする。本稿では開発主体の語りに加え,無意識に生産される場所イメージを解明するために主体の選択行動を分析の対象とした。福井県坂井市三国町の三國バーガーに関する分析の結果,(1)三國バーガー開発は派生的に行われ,商品の方向づけもメンバーの人間関係や助成の要件の影響を受けていた。(2)三國バーガーの材料の選択と命名の過程には,地域ブランドの密接関連性向上と地域ブランドとしての正当化がみられる。(3)プロジェクトはまちづくり活動や三國バーガー開発に際し,他の複数の場所イメージを断片的に参照していた。その上に特産品を重層的に重ね,三國バーガーのイメージが創出されていた。三國バーガーはプロジェクトが目指す三国を表した商品である。
  • 小池 拓矢
    2013 年 6 巻 1 号 p. 35-46
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/04/11
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は,東京都小平市を事例として,大都市近郊のオープンガーデンの特徴と機能を明らかにすることを目的とした。オープンガーデンとは一般的に,個人が所有する庭を公開する活動のことであり,事例地におけるオープンガーデンは,都市からの近接性や鉄道によるアクセス環境のよさを生かして多くの利用者を集めていることがオープンガーデン利用者へのアンケート調査から明らかになった。また,主催者である行政はオープンガーデンを観光資源として位置づけ,利用者の回遊行動の促進を活動目的の一つとしていたが,利用者は行政が発信する情報よりも雑誌やテレビなどのマスメディアによるオープンガーデンの情報を利用する場合が多く,このような情報は特定のガーデンのみに利用者を誘導する傾向があるため,現実の利用者の行動と行政の理想とする行動の間に乖離が生じていることが明らかになった。
  • 小野澤 泰子
    2013 年 6 巻 1 号 p. 47-61
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/04/11
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿では,1980年代後半以降,タイに増加しつつあるミャンマー人を対象に,かれらのホスト社会における適応様式を明らかにすることを目的とした。そのためミャンマー人の社会属性・居住様式・就業形態・生活様式に着目しながら分析した。対象地域は,タイでも最大規模のミャンマー人の人口を有する,バンコク郊外のサムットサーコーン県マハーチャイ町およびその周辺である。ミャンマー人の集住地区は,市街地周辺部における小規模居住地区,工場地帯における中規模居住地区,そして市街地中心部に位置する大規模居住地区の3 種類に区分して検討を加えた。市街地周辺地区においては,一つのエスニック集団が集住する,引き寄せ型の移住が顕著にみられた。大規模居住地区では様々なエスニック・ビジネスが展開され,多様な属性のミャンマー人が居住しているが,一定数は,タイ社会への順応度合に応じて他地区に移住していることが明らかになった。
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